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肩こりとは違う首・肩の痛みの治療法:頚椎ヘルニアは痛みの原因ではない

静岡県からはるばる5時間かけて千葉県にある当院を来院された50代女性

藁にもすがる必死の思いでいらっしゃったこの患者様は若い頃から首や腰の痛みを抱え、7つの病院を渡り歩いてきたようです。

去年の11月に病院で頚椎ヘルニアと診断され、レーザー手術を受けたのですが、症状は変わらず。むしろ手術後は首の痛みがひどくなり、しばらくは横も向けなくなるほどだったそうです。現在も痛みがあり、夜は眠れず、睡眠薬を毎日服用しています。

持参されたMRI画像で頚椎の状態を確認したのですが、私はその画像を診て「なぜこの人に手術をしたのだろう」と疑問を感じました。

画像では確かに頚椎5/6番にほんの僅かなヘルニアがあるのですが、私の見解では年相応の頚椎で病的ではなく、全く手術する必要のないレベル。確認のため神経のテストを行っても異常は認められません。

また小指側に痺れの訴えがあるのですが、これは5/6番のヘルニアとは無関係なはずです。というのは小指の症状は頚椎8番が原因となるからです。

私はこの患者様にレーザー手術は必要なかったのではないかと内心思いました。

そして「患者様の症状は頚椎ヘルニアではなく、『胸郭出口症候群』ではないか?」と思い、確認の検査を行ったところやっぱりそうでした。

すぐに胸郭出口症候群の治療を行い、その場で症状の改善がみられました。

後日、1回目の治療で朝まで眠れるようになったとの報告があり、静岡と千葉なのでとても遠いですが、年内にもう一度来院したいとのことでした。

ずっと苦しんでいた日々にやっと光が見えたと喜んでいらっしゃいました。

胸郭出口症候群(腕や足の痺れ・スポーツ障害)の治療について詳しくはこちらをクリック

医療現場は『椎間板ヘルニア』と診断される人で溢れています

私は今まで椎間板ヘルニアと診断されてはいるけれど、「これは違うのでは?」と感じるケースに数多く出会ってきています。

実際、医療現場では、『椎間板ヘルニア』と診断される方が非常に多いです。

『椎間板ヘルニア』という診断名は、聞こえは深刻で恐そうですが、きっと皆さんが想像する以上に気軽につけられている診断名なのだと私は感じています(もちろん全てではなく、中にはごく稀に深刻なケースがあることも事実です)。

ですから椎間板ヘルニアと診断されたからといってすぐにショックを受ける必要はありません。

そもそも首にしても腰にしても、椎間板ヘルニアがあることは異常なのでしょうか?

いいえ、そんなことはありません。椎間板はもともと加齢とともに誰でも、もれなく劣化が進むもの。例えるなら皮膚のしわと同じです。しわが無い人がいないように椎間板の劣化が無い人もいません(私の椎間板も劣化していますが痛みはありませんよ)。

MRI画像にほんの少し異常がみられたからといってすぐに手術をする必要はないのです。

だってヘルニアがあっても無症状な方がたくさんいるのですよ。

逆にいえば、画像検査の結果頼みで、きちんと神経学的検査もせず、手術を勧められた場合は、一旦立ち止まり良く考える必要があると思います(誤診で、不必要な手術を勧められているのかもしれません)。

そもそも、もし純粋なヘルニアであるのならば、多くの場合、3ヶ月から半年でヘルニアは自然消滅し、手術しなくても治癒するものなのですから(アメリカではもう数十年も前から重篤な場合を除き、ヘルニアは手術しないで治すのがスタンダードです)。

『椎間板ヘルニア』と診断された実際の患者様の初診治療映像

この患者様も遠方から来られた40代の男性です。

10年前にスノーボードで転倒した際に肩を強打し、それからずっと違和感が残っていました。歳とともにそれが痛みに変わり、1年前からは夜、痛みで眠れず、苦しい日々を過ごしてきたそうです。

この方も同じく頚椎椎間板ヘルニアと診断され、牽引療法や電気治療を受けていましたが症状は変わらず(余談ですが昔、私も牽引療法をやりましたが、全然効かず…。というか牽引して治ったという人に今まで会ったことがありません…)。

本人はいつか治るだろうと様子を見ていたのですが、一向に症状が改善しないため当院を受診されました。問診から治療までの実際の様子(約2分間)をご覧ください。

いかがでしたでしょうか?

椎間板ヘルニアが痛みの原因であるのならば、1回の治療で症状が消えるはずがありません。ヘルニア瘤が消失するには白血球などの免疫細胞に食べられ、身体から消えるための時間が必要だからです。圧したり揉んだりしたからといってヘルニアが消えるなんてことは医学的にありえないのです。

ではなぜこの患者様の症状は改善したのでしょうか?

世の中であまり知られていない長引く痛みの真の原因とは?

上述した二人はともに頚椎ヘルニアと診断されましたが、私の治療で改善した以上、ヘルニアが痛みの原因ではなかったのだと思います。

では何が真の原因だったのかというと、それは『組織の線維化』が原因だったのです。

ここで簡単に『線維化』について説明しましょう。

怪我(捻挫・打撲・骨折)や手術などで筋肉や関節を痛めると多かれ少なかれ必ず炎症し、腫れます。関節が腫れるのはサイトカインという炎症性物質のせいなのですが、このサイトカインの出現をきっかけにコラーゲン組織は増生し、筋肉や関節が硬くなります。

このように腫れた組織が後々硬くなること、それが『線維化』です。

たとえ10年前の怪我だろうと、1ヵ月前の怪我だろうと、痛めたり腫れたりした筋肉や関節は必ず線維化を起こし硬くなっていて、その硬さはずっと残っています(10年前にやった捻挫が今になって無理をすると痛むなど)。

また厄介な事に一旦線維化した組織の硬さはセルフストレッチではうまく取れません。

というのは、例えばストッキングのような柔らかいゴムと、タイヤのチューブのような硬いゴムを結び付けて引っぱったら、ストッキングばかりが伸びてタイヤのチューブはあまり伸びませんよね?

線維化した一部の筋肉にも同じ現象が起きるため、いくらストレッチしても硬くなった場所ではなく、もともと柔らかい部分ばかりにストレッチがかかるため硬さは取れないのです。

この硬くなった筋・関節組織には、十分な血流が行かないため、酸欠状態となって痛みが出現します。

よく腰の圧迫骨折をした方が、骨は治っても痛みが消えない場合があるのですが、これも線維化が原因です。

手術したのに痛みが消えないケースでも、同じく線維化が原因と考えられます。

最後に

私は疼痛治療を専門に、16年間、臨床の最前線で多くの患者様を治療してきましたが、長引く痛みのほとんどの原因が組織の線維化に起因するのもでした。

どんな痛みの訴えであろうとも、難しい診断名に引っ張られず、丁寧に線維化した硬結組織を治療することで、ほとんどの痛みが消失、改善します。

線維化に対する現在、最も有効な治療法はiSing(アイジング)という硬結リリース手技です(硬結リリース手技詳しくはこちらをクリック)。

椎間板が痛みの原因だと考え、手術を勧めているお医者様とって、“組織の線維化が痛みの真の原因だ”という私の話は、にわかには信じてもらえないかもしれません。

しかし、実際にたった1,2回の硬結リリース治療で痛みは消えるのです。それもこの二人の患者様だけでなく、数多くの患者様で痛みが本当に消えるのです。

逆に言えば、硬結リリース治療を受けても症状に何の改善も見られないケースであるのならば、それは本当にヘルニアや神経といった手術しなければ治せない部位に問題があるのかもしれません。

私の治療院で日常的に起こっている、まだ世の中にあまり知られていないこの事実を私の治療で治った多くの患者様達が証明してくれています。

組織の線維化が引き起こす痛みの存在を知らず、間違った診断名を鵜呑みにして間違った手術に踏み切る、そのような現状を変えるため、御縁ある方々にこの記事が届くことを願っています。

そして特に手術を検討されている方は手術に踏み切る前に是非一度硬結リリース治療を受け、本当に手術が必要なのかどうかを再考してほしいです。

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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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