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寝違えの治し方|原因・対処法・予防法について

寝違えの原因・対処法・予防法

①寝違えには法則があります。枕なしのうつ伏せ寝が寝違えの引き金となりますが、そのベースには筋疲労、肩こりがあるのです。

寝違えてしまったら動かしたり伸ばしたりせず、まずはじっとして首を動かさないこと。急に動かすと逆に悪化します。冷すことも効果的です。

③長引く寝違え、癖になった寝違えにはiSing【アイジング:硬結メルトテクニック】治療が最も有効です。

寝違え予防にはフェイスタオルを首に巻いて寝るのが簡単でおすすめです。

年に何回も首を痛めて目覚める方いませんか?

「理由は良くわからないけど、朝寝違えてしまった…」

「正しい対処法が分からない」

そんな声を臨床ではよく耳にしますが、私自身も寝違えたことはもちろんあります。

「あっ痛!!」と思った時には“時すでに遅し”で、数日は痛みを引きずりますよね。

寝違えの原因は腋窩神経の圧迫などではない:無意味なストレッチ

ネット上で寝違えの治し方として良く紹介されているのが、腕を後ろに引いて腋窩神経をストレッチする方法。

でも、残念ながら私には全く効果がありませんでした…。

この方法は『ゴッドハンド輝』というマンガで紹介された方法のようですが、それが世に広まってしまったようです。

この腋窩神経へのアプローチが寝違えに効果がないのには、解剖学的な理由があります。

皆さんが寝違えて痛めるのは首から肩にかけてですよね。

でも腋窩神経が支配する筋肉は肩の筋肉(三角筋と小円筋)であり、そもそも首には関係ないのです。ですから仮にストレッチ等で腋窩神経の圧迫が解放されても首の症状が消えるわけがありません。

では寝違えの真の原因は何なのでしょう?

寝違えの法則:私が寝違える時に必ず共通する“ある一つのパターン”とは?

思い返してみると、私が寝違えるとき、いつも共通する寝方がある事に気が付きました。

それは『枕なしのうつ伏せ寝』です。枕を外し、直接ベッドのシーツにどちらかの頬を付け寝ていると“ギクッ”と痛めるのです。

なぜうつ伏せの時に寝違えやすいのでしょうか?

人間が顔を横に向ける動き(頚椎の回旋)の正常可動域は片側60°位とされています。つまり首の動きだけでは人は真横を向けません(実際にやってみて下さい。真横を向くには肩や腰の動きが必要なはずです)。

ですから、枕なしのうつ伏せをとると首は正常可動域の60°を越えて真横を向かなければならなくなり、首回りの筋肉が過剰に伸張されます。

ここで過剰に伸ばされた筋肉は、伸ばされすぎて引きちぎれないようにするために反射的に収縮します(これを生理学用語で伸長反射と言い、身体を守るために必要不可欠な防衛反応です)。

筋肉が収縮しても首が元の位置に戻れるならば痛めないのですが、うつ伏せで首の動きが取れなくなっているので、反射的に筋肉に力が入ってしまうと過剰な力が首の筋肉にかかり痛めるのです(足がつる、こむら返りと似ていますね)。

これが寝違えの起こる真のメカニズムです。

実は一方で欧米人の多くがうつ伏せで寝ていますが、日本人とは枕の使い方が違うようです

日本人は布団文化の影響で仰向けに寝る人が多く、枕は頭の下に入れて使う物と考えていますよね?一方、欧米人は枕を胸の下に入れる物と捉える人が多いようです。

よくホテルのベッドにはたくさんの大きな枕が準備されていますよね。あれは頭用だけでなく、うつ伏せで寝ることが多い欧米人が胸の下に入れて使うためのもの。

日本人とは少し枕に対する考え方が違うようです。

うつ伏せで寝ることには様々なメリットがあり、寝違えのリスクさえ気を付ければ悪い寝方ではありません。

胸の下に欧米人のように胸用枕を入れ、首への負担を減らせば寝違え予防になります。

筋肉が硬くなっていることも寝違えの引き金となります

足や首が攣るメカニズムは脳の誤作動とされていますが、その複雑なメカニズムはまだ現代医学で解明されていないようです。しかし、攣りやすくなる前提条件というのは明らかにされています。それは筋肉が硬くなっている時。

ではどんな時に筋肉は硬くなるのかというと代表的なのは筋疲労の蓄積です。

連日のハードなデスクワークで疲れが溜まり、肩が凝っている時に寝違える危険性が高いのです。

また、筋肉が冷えている時も筋が硬くなるため寝違えやすくなります(プールで足が攣るのはこのためです)。

寝違えを予防するために必要なこと

寝違えを予防するために一番大切な事は、首や肩の筋疲労を溜めこまないことです。マッサージやゆったりとした入浴などで首回りの筋肉を十分に緩めることが一番の予防になります。

次いで寝ている時、首を冷さないようネックウォーマーなどを使用する。

フェイスタオルを首に巻いて寝るだけでも全然違います。

夜、身体は布団に入っているけど、首や肩は外気にさらされ、かなり冷えるんですね。

市販品ならこれも有効です(私のおすすめはこれ⇒)。

最後にうつ伏せで寝る人は胸枕などを使用し、首が過剰に横を向かないよう工夫することです。

もし「次の日が大切な試合で絶対に首を痛めるわけにはいかない」なんて方は、その日はうつ伏せでは寝ない方が安全でしょう。

また水分が不足している時も筋肉は攣りやすいので寝る前に一杯の水を飲むこともおススメです(足の攣り予防にもなりますよ)。

ちなみに私はうつ伏せをやめてから寝違えることが無くなりましたよ。

正しい対処法:もし寝違えてしまったらどうすれば良いのか?

まず、ギクッと痛めてしまったらすぐに揉んだり伸ばしたりせず、そのままじっと動かないこと痛めたままの首の位置でじっと筋肉が緩むのを待つのです

寝違えた瞬間は筋肉が反射的に収縮してしまっている状態なので、下手に動かない方が事態の悪化を免れられます。意外と何もしないで出来るだけ力を抜いてじっとしているだけで痛みが治まっていることもありますよ。

それでも痛みが残っている場合はすぐに保冷材等で5~10分位直接患部を冷やすことです。ただしこれは悪化を防ぐための処置なので、冷やしてもすぐに痛みが消えるわけではありません。でも確実に事態の悪化を防ぐことになります。

最も効果的な治療法:長引く寝違え・繰り返す寝違えはもう寝違えとは言えません

通常、寝違えは2~3日で痛みは引きますが、中には1週間経過しても痛みが残っている、または寝違えを何度も繰り返すケースがあります。

これはもう寝違えとは言えず、違う病態に移行しています。

ベースに深刻な肩こりがあり、寝違えをきっかけに筋肉がさらに傷み、筋硬結と呼ばれる痛みの素が筋肉内にできた重症ケースです。

筋肉はミクロのレベルで傷つき、痛むと筋硬結と呼ばれる索状の硬結物ができます。これがコリや痛みの素となって首を動かすたびに痛むのです。

この筋硬結(トリガーポイント)は一度できると自然に消えることはまずありません。
また筋硬結が筋内に残っていると、それが「寝違えの素」となり、繰り返し寝違えるようになります(寝違えが癖になる)。

この硬結を除去するには特殊な手技を用いたiSing【アイジング:硬結メルトテクニック】治療が最も効果的かつ効率的な治療法です。

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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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