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『夜中、肩が痛くて眠れない』なぜ四十肩・五十肩がなかなか治らないのか?その理由と治し方について

はじめに

四十肩の症状は人によって様々で、比較的軽い痛みから始まり、次第に強くなっていく人もいれば、強い痛みが突如出現して、眠るのも困難になる人もいます。

また『四十肩を放っておいたら自然に治ったよ』と言う人もいれば、『2年経っても治らず、肩が固まって動きが悪くなってしまった』という人もいるのです。

では、なぜこのような差が生まれるのでしょうか?

それは『本当に四十肩』の人と、『四十肩によく似た別の疾患』の人がいるからです。

『四十肩によく似た別の疾患』の人が四十肩の治療を受けても症状が改善しないどころか、どんどん悪化し肩関節が固まってしまう事だってあります

あなたの肩痛は本当に四十肩?:肩痛の原因となるいくつかの疾患について

『40~50代になって肩が痛い』からといってその全てが四十肩・五十肩ではありません。

ここの判断を誤り、「肩が痛いから四十肩だ」と決めつけて四十肩治療を行うといつまでたっても治らず、症状の悪化を招きます(臨床的には結構、誤診されていることが多いなぁと感じています)。

表1は肩関節痛を訴えた40歳以上の患者様1400例、12年間分のデータです。

半数以上が四十肩・五十肩ですが、注目すべきは2番目、3番目に多い『腱板断裂』『石灰沈着性腱板炎』と呼ばれる疾患です。

これら3種類の疾患は症状が似ているため、一括りに肩関節周囲炎と診断されてしまう場合があります。
共通点は肩の痛み、特に夜間痛ですが、治療上の注意点、アプローチ法はそれぞれ異なるので、治療者がそれらに対する深い知識を持ち、誤診せずに病態に合わせた治療を行うことが大切です。

しかし残念な事に、そこまで細かな検査が行われず、『肩が痛い=肩関節周囲炎(四十肩)』と診断され、誤った治療が行なわれてしまっているケースがあるのも事実です。

もしもあなたの肩痛がなかなか治らないのであれば、もう一度しっかりと肩の病態に詳しい治療家に再診してもらい、本当に四十肩なのかを確認することは有意だと思います。

知識と経験がある治療家ならば、レントゲンやMRI検査に頼らずとも、いくつかの徒手的検査を行う事でこれら3つの病態を的確に診断することができるはずです。

『腱板断裂』と四十肩は何が違うのか?⇒詳しくはコチラ

『石灰沈着性腱板炎』と四十肩は何が違うのか?⇒詳しくはコチラ

『骨の位置がズレて急に肩が上がらなくなる!?』四十肩と誤診されやすい上腕骨頭の位置異常とは?

四十肩と誤診されやすく見つけにくい疾患、それが『上腕骨頭の位置異常』です。

あまりメジャーではないこの疾患は、治療家の中でも知らない人が多く、見落とされがちですが、臨床上非常に多く存在します。

まずは実際の治療の様子をご覧ください。

肩関節がもともと緩い人が横向きで寝た際に、腕の付け根の骨(上腕骨頭)が微妙にズレて痛みが出現したり、腕立て伏せをやり過ぎて大胸筋に骨が引っ張られ上腕骨頭が前方に偏位してしまうことはよくあります。

「筋トレしていて急に肩を痛めた」なんてケースはほとんどの場合で骨頭の位置異常が発生しているはずです。

骨の位置がズレたままだと鈍い痛みで力が出せず、マッサージや湿布をしても痛みは取れません。

そして厄介なのが、この状態をレントゲンで撮影してもズレが微妙すぎて異常を発見されることはまずないのです。

しかし関節を動かせる治療家が触れば即座に異常に気づき、その場で骨の位置を矯正できます。矯正され骨の位置が正常に戻ると、その直後から痛みは消えて驚くほど症状が改善します。

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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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