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2年間麻痺していた右手が動き出した瞬間|小児のリハビリ

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脳出血は発症後6~9ヶ月が回復のピークで、それ以上の回復は期待できないと医学的には広く考えられているのですが、この子はそんな常識をはねのけ、今も少しづつ回復しています。

ブレない心で継続することの大切さ、子供が持つ生きる力の凄さを感じます。

 

右手が動き出した瞬間、彼自身も半信半疑。

この時はまだ言語機能の回復も弱く、言葉は出なかったのですが、驚きと喜びで満面の笑みを浮かべていました。

 

この動画は私とのリハビリを開始して約半年が経ったときのものです。

彼は9歳の時、お友達と遊んでいて突然倒れ脳出血を発症。

原因不明で、子供にはとても稀なケース(10万人に1人)だったそうです。

県内の大きなリハビリテーションセンターで1年リハビリをしましたが、右半身に麻痺が残り、右手をパーに開くことは全く出来ませんでした。

 

私が彼と出会ったのは、病気を発症して1年半が経った春頃。

 

彼も彼の家族も「右手が使えるようになりたい」という強い希望があったのですが、

医学的常識では発症後1年半が経っているし、手の麻痺は回復が足より俄然難しいものなので、最初、彼にどこまでプラスが出せるのか分かりませんでした。

 

ですから、「先の事は分からないけど、今できるベストを尽くし、少しでも良いからコツコツ前に進もう」という趣旨の話をしてリハビリを開始(2週間に1回のペース)。

 

リハビリ治療で心がけた事は

  1. ほんの少し頑張れば達成できる課題を選ぶ
  2. 飽きがこないように毎回、違う課題を行う
  3. リハビリの宿題を毎回出し、その内容はゲーム性のあるものにする
  4. 長くリハビリが続けられる様な精神状態でいてもらえるよう、過剰に期待ややる気を煽らない
  5. 本人が気持ち的に回復を諦めそうでも、PT(治療者)は「きっと何とかなる」という態度で淡々とリハビリ訓練をする
  6. いつも明るく接し、「リハビリに来るのは楽しい」と思ってもらう
  7. 彼と良い距離感(友達以上、先生未満)を保つ
  8. 治療法はなりふり構わず、考えられる事は何だってやる

こんな感じでした。

『今できるベストを尽くす』

これを合言葉に、彼は黙々とリハビリを続けて、毎回、一段一段階段を上るようなペースで、でも確実に進歩していきました。

2週に1回、私の治療院でリハビリを行い、帰りに毎回リハビリの宿題を渡し、自宅でも訓練を続けました。

最初は、ひたすら直線を描くことから始め、出来るようになったら次はカタカナでアイウエオ、次はひらがなという感じで難易度を徐々に上げていきました。

上の絵は、彼が麻痺のない左手で描いてくれたドラゴンボール悟空。

 

彼は絵が得意で私にこの絵をプレゼントしてくれたことがあったのですが、

その時「いつか右手でも同じように上手な悟空が描けるように頑張ろうね」と約束していたんです。

 

そして最近、ついに右手だけで悟空を描けるようになったんです。

上手ですよね!

最初は直線も上手く引けなかったのに、彼の努力、回復力には毎回驚かされます。

 

今後、どこまで回復できるのか、それは誰にも分からないけど…、

弱気にならず、かつ、変に強気にもならず、淡々と真ん中の気持ちでリハビリを続け

彼の未来が明るく広がっていくように、『今できるベスト』を積み重ねていきたいと思っています。

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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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