1. HOME
  2. ブログ
  3. 『頚椎症・頚椎ヘルニア』の原因と治し方―その診断名は本当に正しいのでしょうか??―

『頚椎症・頚椎ヘルニア』の原因と治し方―その診断名は本当に正しいのでしょうか??―

はじめに

腕や手の痺れが心配で整形外科へ行き、レントゲンを撮ると、多くの患者様が『頚椎症』や『頚椎ヘルニア』などの診断名を言い渡されます。

「あなたの椎間板や骨が神経を圧迫しているから痺れるのですよ」的な説明をお医者さんからされた患者様は”骨や椎間板の問題なんだから手術しかない”と暗い気持ちを抱えてしまいます。

しかし、その診断名は本当に正しいのでしょうか?

私は長年の臨床で頚椎症やヘルニアと診断された患者様に数多く出会ってきました

中には頚椎の手術を受けたが、残念ながら痺れが治らなかった方もいらっしゃいます。

確かにもし本当に骨や椎間板が神経を圧迫した結果、腕が痺れているのならば手術でその圧迫している組織を取るしかないでしょう。

しかし、私の経験上、多くの『頚椎症』や『頚椎ヘルニア』は手術せずとも痺れは治るのです。

なぜ、手術せずとも治るのでしょう?

それは多くの場合、痺れの真の原因が骨や椎間板の圧迫ではないからです。

どれほどレントゲン上で骨の変形が見えても、全く症状のない人もいます。

逆にレントゲン上、明らかな問題がない人でも腕の痺れを訴える人がいるのが現実です。

ですので画像所見からすぐに『頚椎症』や『頚椎ヘルニア』と判断することはできないし、それは間違っています。

ちなみに、もし腕の痺れだけでなく、急激な握力低下(筋力低下)があった場合は話が違います。

ほぼ確実に神経根もしくは脊髄の問題が生じているので、これは深刻です。しかし、痺れだけが主訴の場合、多くの場合が正しい治療で治ります。

手術せずとも治せる可能性がある痺れはどんな症状?

さっそく簡単な検査をしてみましょう。

胸を張って、腕を外転90度、外旋90度、肘を90度曲げた状態にします。

この状態で手をグーパー、グーパーと動かしてみて下さい。腕の痺れは増しますか?もし増すようならば、それは胸郭出口症候群の症状かもしれません。

一般の方には聞きなれない名前かもしれませんが、我々、理学療法士の世界では知らない人がいないほどメジャーな疾患がこの胸郭出口症候群。

腕に行く神経(腕神経叢)が様々な原因で圧迫され痺れが出るのが特徴です。

神経が圧迫される原因はいくつかあり、その中でも治せるものと治せないものがはっきりと分かれています。

治せる胸郭出口症候群は小胸筋や斜角筋といった筋肉が神経を圧迫しているケースです。

肩こりを訴える患者様のほとんどが斜角筋や小胸筋が固まっており、これが原因で腕が痺れているのです。

ちなみに先ほど行った検査は胸郭出口症候群の症状を誘発する検査です。

当院ではiSing【アイジング】という特殊な深部筋膜リリース法を使ってこれら硬くなった小胸筋や斜角筋を緩める治療を行いますが、多くの場合、その場で腕の重ダルさや痺れが改善します。

MRIなどの検査をした方が良いケースは?

胸郭出口症候群では腕を上げた姿勢で痺れが増しましたが、頚椎症・頚椎ヘルニアの場合は逆に腕をあげた姿勢(頭部に手を置いた姿勢)のほうが痺れは楽になるケースが多いようです(専門用語でBakody’s Signと言います)。

真の頚椎症・頚椎ヘルニアによる神経症状ならばこれはお医者様にしっかり相談し、MRIなどの検査も受け、必要ならば手術を考えなければなりません。

特に痺れだけでなく、握力等に問題が生じている場合はさらに深刻と言えます。

しかし私が危惧するのは、本当はただの胸郭出口症候群なのに『頚椎症』や『頚椎ヘルニア』と診断が下されるケースが多いことなのです。

まとめ

病院で『頚椎症』『頚椎ヘルニア』と診断された患者様の多くに『胸郭出口症候群』が認められます。

もし今の痺れが胸郭出口症候群由来のものならば手術せずとも治せる可能性があるのです。

診断を盲信せず、手術に踏み切る前にもう一度立ち止まってみる必要があるかもしれません。

関連記事

【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

≫詳しいプロフィールはこちら