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3.開業前の最初の失敗

起業理念を決めず、ただ何となく動き出してしまった…

柔道整復師の資格を取り、整骨院の開業権を得た私は東京から地元千葉に帰ってきました。

東京での仕事を辞めて帰ってきたので、私はその当時、38歳で無職に…。早く仕事に就かなきゃと内心すごく焦っていました。

 

 

『何の為に開業するのか?』なんて事を考える余裕もなく、時間に追われるように開業に向けて考えなしに兎にも角にも動き出してしまったのです。

そこで私が最初にしてしまったのが、整骨院開業を0から支援するという業者への委託です。ネットで「整骨院、開業、サポート」で検索し、ヒットした業者に開業の手伝いを依頼することに。

 

今考えればありえない事なのですが、当時の自分は何から手につけて良いのか分からず、まずはプロに頼んでしまおうと考えてしまいました(楽そうだったので…)。

その会社の謳い文句は、「私達は開業支援のプロフェッショナル。我々に依頼すれば、治療院の設計、治療機器の選定、院の宣伝、HP制作、集客・運営の仕方までを全てサポートします」という、私の不安にどんぴしゃで訴える内容で、ついつい飛びついてしまったのです(具体的な値段は書いてありませんでした)。

 

 

とりあえず会いましょうという事で近くの喫茶店で会うことに。営業マン二人と私の3人で会いました。

2人の営業マンは1人が50代位で白髪の男性、もう一人が30代の気の良さそうな男性でした。

 

私は何が“常識的で適正な話”なのかわからぬまま、ただただその人たちの話を鵜呑みにしてしまいました(本当に世間知らずでした…)

 

私:「開業にはいくらくらいかかるのですか?」(そんな質問、買い手がすれば、売り手は当然高値を提示してくるだろうに…(恥))

営業マン:「ピンきりですが、人によっては4000万円かける人もいます」

私:「4000万ですか!?とっても私では無理です。どうすれば良いですか??」

営業マン:「開業資金、自由になるお金はいくら準備していますか?」

私:「300万位です」

営業マン:「ではその値段でできるかぎりのプランを立てましょう」

 

 

こんな感じのやりとりがありました。本当に今考えれば恐ろしく稚拙な値段交渉(恐)。

そのまま話が進み、私のイメージは一切聞かれることなく、業者が考えた治療院の設計図が作られました。

 

 

「整骨院はこういうのが必要ですから」とウォーターベッドの購入を促され、取り敢えずその会社が紹介する治療機器メーカに治療機器を見に行くことに。

でも営業マンが、打ち合わせの度に何度も遅刻してきたんです。

 

 

私は2回の遅刻は大目に見たのですが、3回遅刻された時に「これは信用ならない」と思い、知り合いの社長さんに事の経緯を報告。すると社長さんが「それはおかしな話だ。きっと騙されてるから俺が直接会って話を聞こう」と。

 

 

で、社長さんと私、そして営業マンと打ち合わせすることになったのですが、その日も遅刻してきたのでその場で商談は破断となりました。

 

 

後で分かったのですが、その会社に実態はなく、彼らが間に入って大工さんや看板業者、HP制作会社などに委託し、その中間手数料で利益を得るだけの会社だったそうです。

幸いにも契約前に破断になったので、損害金は0でした。

開業で必要な“自営業者の心構え”

開業し、自営業してみて実感するのは、何でも全て自己責任なので、『どんなことでもまずは自分自身でやってみる』

この独立自営の心構えを持つことの大切さです。決して業者に全て丸投げなんてしてはいけないんです。

自分で何でも、例えばホームページ作成にしても、店舗の設計にしても、チラシ作り、名刺作り、治療院の宣伝…。

何であろうと、稚拙で良いからまずは自分でやってみるんです。

 

 

当然、全てが初めての事で、やり方なんて分からないでしょう。
それでもやっていくと意外と何でもできるものなんです。

 

 

【アントニオ猪木の名言】
この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。危ぶめば道はなし。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ。行けばわかるさ

 

 

まさにこの精神。自分でやる事で何が大変で、どの位お金がかかりそうかくらいの事は分かるようになります。

 

 

そうなって初めて委託する業者の話の本質が見抜けるようになるし、契約時の質問に具体性が出てきます。

相手は商売でやっているのでできるだけ高い契約を結びたいんですよね。

 

 

そこで「こいつは素人のカモだ」と思われたらダメなんです。

当たり前の事なのに、「自分は患者様のために役立つ治療院を作るので協力してくれるはず」的なひどく甘い、自分勝手な妄想で業者側の考えに立てませんでした。

 

 

病院勤務時代は社会に対して自分から主体的に動き、自分で判断し何かを決断することがあまりに少なかったから、その点が私の弱点でしたね。

 

 

もしPTになる前に会社勤めの経験があり、契約等の裏側を知っている人ならきっと心配ないのかも。

でも、私のように医療福祉関係の仕事しか知らない人にとってはお金のやり取りが不慣れで、十分注意しているつもりでもボったくられてしまう恐れがあります。

 

 

私自身が患者様のためにいつも捨て身で、利他の精神で仕事をしているので、他の業者も同じく買い手の利益を考えてくれるはずと甘い考えをしていました。

そんな不慣れな私も様々な失敗の中で学び、今は契約時にこんな対応策を取っています。

①商談はその場で即決せず、必ず経験豊富な第3者(私の場合、自営業の社長)に相談してからハンコを押す。必ず一旦は話を持ち帰り、その場では絶対に決断しない。

 

②どんな小さな約束事も書面にして残すようにする(口約束はしない)。会話の内容を“議事録”としてその場でパソコンに打ちながら、最後に業者の説明に間違いがないか確認する

 

③会話の内容を録音する

 

④他の競合業者にも話を持ちかけ、必ず“あいみつ”をとる。

大きな契約(HP制作、看板制作)なんかでは特に必要です。ひとつの業者だけでなく、復数の業者から見積もりをとることで業者ごとのサービス内容、料金、サポートなどを比較し、最も良い条件の業者を選ぶことができます。
相見積もりは業者同士の競争を促す役割もあり、値下げが期待できることも。

 

⑤お願いする会社の実績(設立年、資本金等)をチェックし、本社に必ず出向き、ちゃんとした会社か自分の目で確認する

結構あるのがホームページでは立派に見えるのに、実際はマンションの一室を借りてるだけの業者(業種によってそれもありですが)。
1人しか従業員がいないのに会社的に見せている業者など。いずれにせよ、自分自身がすべてわかった上で業者にはお願いしなければ、こんなはずじゃなかったってことになるかも。

 

⑥納期を必ず決め、そこを過ぎた場合の対応をどうするのかを確認。またもし契約を破棄する場合、どのような流れになるのかなども確認(これは特に重要です。誠意ある業者なら嫌な顔せず、誠実に説明してくれます)。

 

④支払いは必ず分割にする。仕事の進み具合に納得しながら払うように契約する。

例えばHP制作なら、まずはHPのイメージを作成してもらい、納得したら最初のお金を払い、次いで作業に入り、また納得したら次のを支払う的に段階的な入金ができるのがベスト。
最初に大きなお金を入金し、トラブルになると最悪回収できません。

 

ここまで慎重になったのは、開業後、ホームページ制作会社とトラブルになって散々な目に遭ったからなんです(要は騙されてしまったんです、私…)。

 

同じような失敗をしてほしくないので、ここは強調したい。

 

 

まずは全て自分でやること。で、「まだこの業種の真ん中が分からない」と思ったら業者には委託しないことです。

 

自分の目、足を使うことを惜しまないこと。
これが失敗を最小限にするコツです。

不安がある、分からないことがある場合は決して自分だけで判断せず、信頼できる経験者(親でも良いし。できれば身内の経営者がベスト)の意見を仰ぐこと。

 

 

誰でも最初は初心者ですから。

でも必ず、心ある応援者があなたのまわりにもいるはずですよ。

 

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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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いとひや整骨院

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