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『肩が固まってバンザイできない…』四十肩治療の重要ポイント【凍結期編】

四十肩は人口の2~5%が罹患し、女性にやや多く、年齢は40~60歳が大部分を占めます(40歳末満あるいは70歳以上は著しく少ない)。

また、左右の発生率についても違いがなく、利き腕だから発症しやすいということもありません。

同時もしくは時を違えて、左右同時に四十肩になる人もいますが、一度なった側が再度四十肩になることはまずありません。

子供の頃にやった『麻疹(はしか)』なんかと一緒で、1回罹れば終わりです。

また糖尿病のある方は、健康な人に比べ著しく四十肩になりやすいです。

職業が影響するか否かに関する検討結果はまちまちで、肉体労働者に多いとする報告と坐業者に多いとするまったく反対の報告があります。

何も治療せず放置してしまうと肩が固まったまま戻らなくなってしまう恐れのある四十肩。

凍結期のリハビリ治療が後遺症を残さないために重要なんです。

凍結期:4~12ヵ月間続く

四十肩を発症して最初にくるのが炎症期。別名【疼痛期】と言って、患者様の主訴はつらい肩の痛みです。

特に夜間痛(夜、痛みで眠れない)に苦しみますが、これが治まると、今度は肩が固まる凍結期が始ります。

凍結期の特徴

肩が固まってバンザイができない。

手が後ろに回らず、下着を脱ぐのが辛い…。

痛みで動かせないというよりは、固まって動かせないというのが特徴で、炎症期との一番の違いは『安静時痛(夜間痛)がない』ことです。

この時期からリハビリ、徒手療法を開始することがとても大切で、痛みに注意しながら肩の運動を始めて可動域の拡大を図っていきます。

もし凍結期に肩を動かさないと、中には固まったまま治ってしまい可動域制限を残すケース(全体の10%程度)もあるのです。

ただしやたらめったら動かせば良いわけではなく、きちんと解剖学的な知識のある専門家の指導のもと、正しい自主トレを行い、安全でスムーズな可動域拡大を図っていきましょう。

もし炎症後期と凍結期の見極めを誤り、まだ炎症後期なのに運動や徒手療法を開始してしまうと症状の悪化を招き、治療が上手くいきませんので注意が必要です。

『夜間痛は無いけど、バンザイすると痛い』これは凍結期?それとも炎症期?

『凍結期の見極め』は治療上、とても重要です。

『夜間痛(安静時痛)は無いけど、バンザイすると痛い』状態は炎症後期で、別名【不完全な凍結期】と言います。

この時期に肩の可動域を上げていく徒手治療や自主トレは、基本控えるべきです。

【不完全な凍結期】に無理に可動域を上げようとすると症状を悪化させ、腱板断裂などの病態に移行させてしまう恐れがあります。

「治療後に痛くなった」などのクレームが出るのは、大抵がこの不完全な凍結期に治療者が焦って可動域を上げようとした結果です。

とは言うものの、臨床では不完全な凍結期であっても角度を上げることが求められますよね?

経験の浅い新人さんは、炎症後期はまだROMexを控え、安全策に徹するべきですが、中堅以降の治療者は現場でそうも言っていられないはずです。

炎症後期は完全他動でのROMではなく、自動運動を利用したROMexが安全で効果的です。的確な治療を行えると、可動域がその場で改善し、日常的な痛みがグンと減るんです。

まとめ

四十肩治療のポイントは病期を正しく見極め、動かしてはいけない時期には動かさず、動かすべき時期にしっかり動かすこと。

一旦は必ず固まるのが四十肩であることを忘れず、肩を冷やさない事を心がけましょう。

特に『凍結期の見極め』を正しく行えることが治療上重要となります。

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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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