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パーキンソン病と腰痛②:うつ病の薬(パキシル)を止めたら前傾前屈姿勢が改善し、走れるようになった

こんにちは。

今回は『薬の怖さ』についてのお話です。

動画の患者様はパーキンソン病で最初、歩行困難でした。

でも向精神薬を止めた途端、走れるまでに回復したのです。

今回の投稿はパーキンソン病患者様だけでなく、何らかの薬(コレステロールの薬、血圧、向精神薬、睡眠薬etc)を飲んでいる方にも是非、読んでもらいたい投稿です。

当院受診までの経緯

2018年9月7日に、この患者様から以下のメール(原文)を頂きました。

[ お問い合わせ内容 ]

現在、パーキンソン病により通院治療を受けているものです。

今年2018年5月ごろから、歩行時に腰が曲がり、ひどい腰痛がともないます。
主治医と相談し、薬で様子をみて来ましたがなかなか改善しません。

千葉メディカルセンター整形外科で検査を受けましたが、腰、背骨等はまったく異常はないとの診断でした。

そろそろリハビリをとネットで検索していたところ、当院HPをみてメールさせてもらいました。

いまは、スポーツジムでリハビリを兼ねて、筋トレ、ストレッチ等を行っています。(主治医了承)

最近体幹を鍛えるプランクを初めてから、9月1日の朝起きて1~2時間ぐらい背筋がまっすぐにのびていることに気が付き、その後時間がたつにつれ元に戻ってきました。

いまも歩く際は腰が曲がり腰痛がともないます。

改善の見込みはないでしょうか。年齢は60才男です。

 

このメールに対し、私が返信したメール(原文)は以下の通りです。

 

[回答]

パーキンソン病、前傾前屈姿勢に伴う腰痛を抱える患者様は臨床上多く存在し、改善の見込みは十分にあります。

治療のポイントは腰痛とパーキンソン病を切り離して考えることです。

腰痛治療の第一段階はダメージを受けた腰背部筋の治療です。これは当院の筋硬結除去治療で改善可能だと思います。

第二段階は腰痛の原因となる姿勢・動作の改善となりますが、これはパーキンソン症状からくる前傾前屈姿勢を改善しなければなりませんので、当院の治療だけでは足りず、薬物療法と運動療法の併用が必要となります。

運動療法については姿勢を改善させる運動(体幹トレーニング等)を指導していきます。

パーキンソン症状の進行具合によって個人差はありますが、当院に通院されている患者様の多くは、腰痛自体は改善しますが、前傾前屈姿勢の改善は治療後は回復し、姿勢が正常に戻りますが、時間とともにまた前傾してきてしまいます。

治療して背筋が伸び、歩けるようになって、また2週間くらいすると前傾しているというのを繰り返すことで、進行性の疾患であるパーキンソン病に対し現状を維持できるといった感じです。

しかし治療で大切な事は『今やれることをしっかりやること』です。

すなわち改善できる要素(腰痛など)を丁寧に改善し、二次災害(動かないために関節が固まる)を予防することが大切なんだと考えています。

初診でしっかりと患者様の症状を検査し、当院の治療でプラスが出せるのか判定した上で治療をすすめていきますので、もし必要でしたらいつでもご連絡ください。

それでは。

 

その後、この方は当院の初診を受けました。

初診時に感じた違和感

患者様は問診室に入ってくる際、身体をくの字にし、下を向いて歩いてきました。

その姿勢は前傾前屈。

まさに典型的なパーキンソン病特有の姿勢に一見見えました。

でも何となく、動き方がパーキンソン病のそれとは質的に違う感じがしたのです。

言葉化するのは難しいのですが、多くのパーキンソン病患者様を診てきた経験から、この方の動き方に何か直観的な違和感を覚えました。

立ち上がりもスムーズで小刻み・すくみ足歩行はみられません。

また、普通、パーキンソン病患者様は問診で話をしている最中、手や足、顔面など、体のどこかに無意識の振えがしばしばみられるものですが、この方の場合、それもありません。

「薬が効いているからふるえ(安静時振戦)がでないのかな?」と内心思い、問診を始めました。

問診

どのような経緯でパーキンソン病の診断を受け、現在に至ったのかを丁寧に聴取したところ、その内容に再び違和感を覚えました。

この方は40代の頃(今から7年前)、ストレスにより眠れなくなり、メンタルヘルス科を受診。

そしてうつ病の診断を受け、即日入院したとのこと。

退院後は症状が落ち着いていたにもかかわらず、うつ病の薬(パキシル)を7年間も飲み続けていたそうです。

私は過去の経験から「この方は純粋なパーキンソン病ではなく、薬の副作用によるパーキンソン症状なのではないか?」と直感しました。

パーキンソン病と診断を受けるまでの経緯

時系列でまとめると以下のような経緯となります。

7年前、仕事のストレスで不眠になりメンタルヘルス科を受診。うつ病と診断され向精神薬(リフレックス、パキシル、ルネサス)を飲み始める。
入院初日にぐっすり眠れ、その後、不眠・うつ症状は出現しなかったにも関わらず、向精神薬はなぜか処方され続け、医者の言うままに7年間、飲み続けた。

3年前の8月、小字症(字が上手くかけず、小さくなっていく現象)出現。
某大学病院の神経内科にてパーキンソン病と診断を受け、マドパーを飲み始める。
その後小字症は改善したが、前傾前屈姿勢が出現。歩行が次第に困難となる。

今年(2018年)5月に腰痛出現。当院受診となる。

問診で疑問に思ったのは、『なぜうつ症状もないのに向精神薬を7年間も飲み続けているのか』ということでした。

その事について訊ねると、本人も深い意味はなく、「ただ医者が出すから」という理由だけで飲み続けていたそうです。

パーキンソン病になる方は、私の経験では生真面目な方が多い気がしていて、この方もそうだと思いました。

と同時に私は過去、同じようなケースを担当したことがあったので、その事が頭をよぎりました。

私が過去に担当した統合失調症の患者様のケース

毎日、普通に歩いてリハビリ室に来ていたのに、ある日突然、両膝が曲がったまま立てない、歩けない状態になってしまったのです。

私は過去、統合失調症の患者様を担当した際、精神病薬の副作用で突然歩けなくなったケースに遭遇したことがあります。

その方は確か60代女性で、内科疾患(糖尿病だったと思う)で入院していました。

その動き方、姿勢は錐体外路症状(パーキンソン病の症状)にとてもよく似ているものでした。

「突然パーキンソン病になるはずがない。明らかにおかしい」と思い、最近服用した薬を調べると、その薬と飲み合わせの悪い精神病薬があり、一緒に飲むとパーキンソン症状を引き起こすとの一文を発見。

すぐにドクターに情報を上げたところ、「あっそう。じゃその薬止めてみよう」と別段慌てた様子もなく、淡々と伝えられました。

この女性は薬を飲むのを止めたところ、数日でまた歩けるようになったのです。

薬の副作用によるパーキンソン症状について

内科医で薬の怖さについて警鐘を促す医師、内海聡先生は著書『精神科は今日も、やりたい放題(三五館出版)』の中でこのように述べています。

精神薬の場合、少なければ副作用が心配ないというわけではない。

薬の依存性、鎮静作用、錐体外路症状(パーキンソン病のように、体が動かなくなったり逆に勝手に動いてしまうような症状)、認知障害や記憶障害(要するに精神薬を飲むとボケる)、自殺衝動の悪化、その他の副作用など、薬が一種類であっても多数報告されている。

たとえばパキシルという薬はアメリカで特にやり玉に挙がっていて、多数の訴訟を抱えている。

著書の中ではパキシルだけでなく、抗精神病薬として有名なリスパダールがどれほど人体に悪影響を与えるかについても詳しく述べられています。

恐ろしい事に、それらの薬を飲んでも、うつ病が治るわけではなく、むしろその副作用によって様々な症状が引き起こされてしまうとのことなのです。

私の患者様はパキシルを7年間も無意味に服用し続けていたので、

「精神薬を急に止めると離脱症状が出てしまい、症状が悪化するなんて話もあるから、必ずお医者様に相談してから決めてほしいのだけど、うつ症状がないのならばお医者様の指示のもと、服用をストップしてみてはどうか」と提案しました。

この方は、その後、自己判断でうつ病の薬(パキシル)を飲まず、様子を見たとのことでした。

すると前傾前屈姿勢は徐々に改善し、背筋が伸びてきたのです。それと同時に腰痛も改善していきました。

もちろん『うつ症状』も一切出現していません。

まとめ

薬の専門家でもない理学療法士の私が薬について何か専門的な意見をするのは出過ぎた真似かとも思いました。

しかし、脳に作用する薬を飲んだことで、本来出現しなくて良い症状が出てしまったケースを何例か担当した経験と、同じような症状に苦しむ人々の何かヒントになればと思い、事実のままに投稿しました。

後日談として、この患者様は担当の精神科医に事の経緯を告げ、薬の服用を止めたら、前傾前屈姿勢が改善し、走れるようにまでなった旨を伝えたそうです。

すると医師は「そうですか。では3種類出していた薬の内、2つは止めて良いですが、パキシルだけは飲み続けて下さい」と言ったそうです。

患者様は「うつ症状はもう出ていないのに、なぜ飲まなければいけないのですか?副作用が恐いのでやめたいのですが」と勇気を出して伝えたところ、

「心配いりませんよ。パキシルは効果の少ない、弱い薬なので飲み続けても大丈夫ですから」と答えたそうです。

効果の少ない薬だから飲み続けた方が良い…?

効果のない薬ならば飲まない方が良いのではないでしょうか?

私の患者様はパキシルを7年間も無意味に服用し続けていたので、私は「精神薬を急に止めると離脱症状が出てしまい、症状が悪化するなんて話もあるから、必ずお医者様に相談してから決めてほしいのだけど、うつ症状がないのならばお医者様の指示のもと、服用をストップしてみてはどうか」と提案しました。

この方は、その後、自己判断でうつ病の薬(パキシル)を飲まず、様子を見たとのことでした。

この医師の説明に私は困惑します。

また、もし前傾前屈姿勢が薬による副作用で出現しているのならば、パーキンソン病の治療薬であるマドパーの服用は必要あるのでしょうか?

マドパーも脳に作用する薬ですから当然、副作用があります。

現在、この方の主訴であった腰痛は全く無くなり、姿勢もほぼ正常となりました(昔から猫背気味だったそうで、その名残が残っている位です)。

私が思うに前傾前屈姿勢が改善したのは、当院の治療効果というよりは、薬を止め、その薬害効果が身体から抜けてきた影響が大きいと考えています。

パーキンソン病であるならば普通は改善せず、むしろ進行する前傾前屈姿勢。

それが今回、奇跡的に改善したことで腰への負担が無くなり、通常の腰痛治療だけで根治できたのだと思います。

この方が本当にパーキンソン病なのか、再検査が必要だと考え、現在、その話を推し進めています。

答えは分かりませんが、この投稿が同じような症状の方にとって何かの意味を持てば幸いです。


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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

保健医療学修士/理学療法士/柔道整復師/
シン・インテグレーション認定施術者

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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