7.開業したら暇な時こそ勝負の分かれ目

この前、アルピニストの野口健さんとその娘が登山するテレビ番組をやっていました。
エベレスト登山準備の為のトレーニング登山で、わざわざリュックに20㎏もの重りを入れて山を登るんです。

運動音痴な番組スタッフも登山に同行するのですが、山道があまりにもきつく、辛くて、
「どこまでこの上り坂は続くんですか?頂上まではあとどのくらいですか?」とか「なんで山なんてわざわざ登るんですか?」とぼやきました。
すると娘さんはサクッとこう答えます。
「私も小さい頃、山に連れていかれる度に同じこと考え泣いていたけど、そういうこと考えるとただただ辛く苦しくなるから、ある時から何も考えないようにしたんです。諦めたんです。その方が楽で良いですよ。一旦、山に登ると途中でやめられないですからね」と。
うーむ、これって独立開業も同じなんだよなぁ。
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開業前は、自分の使命(なぜ山に登るのか)を考えることってとても大切なんですけど、一旦、開業し走り出したら、もう下手な事考えない方が頑張れます。
途中、道に迷いそうになった時にだけ、一旦立ち止まり、自分の目指していた頂上(使命)を見上げる。
そして向かうべき方向を再確認したら、また視線を落とし、頭の中を無にして黙々と足もとだけ見て登り続ける。
登っている途中で、「いつまでこのキツイ状況は続くのか?そもそも開業する実力はあったのか?」なんて事を考えクヨクヨし、頭を抱えても、もう途中で山を下りることは出来ません。

それならばいっそ「とにかく頂上まで登りきるまでは、何も考えずひたすら進もう」と黙々と歩みを止めず、登り続ける。
「元気よく、ポジティブに!!」とかも、余計疲れるから、ただただ無になって、一歩一歩に集中する。
人間、暇になると雑念、妄念が出るものだから、患者さんの少ない開業間もない時期は、特にこの考え方は大切です。
暇な時の過ごし方が勝負の分かれ目
開業当初、患者さんが来ない暇な日が続いたりして、「どうしよう…、このままでやっていけるのだろうか…?」なんて考えに心を支配され、歩みを止めてはいけません。
その暇な時こそチャンスだと私は考えていました。
「これはきっと神様(仏様?)が、これからたくさんの患者さんが来た時に対応できるよう準備しなさいと、勉強するための時間を作ってくれたんだ」と捉え、暇な日は必ず何かの勉強をしていました。
内心の不安を打ち消すように「時間が出来た、ありがたい、ありがたい」と自分に言い聞かせ、暇な時間をネガティブに捉えないようにしていたんです。
で、実際何かの勉強(例えば四十肩とか)をしだすと時間が足りないくらいになるのです。
新しいアイデアが湧くし、患者さん用に資料作りをしなきゃならなくなったりして。
そうやって忙しくしていると変な不安感は次第に消え、心が落ち着いてくるんです。
すると不思議な事が起きるんです。
勉強しているテーマ(四十肩)の患者さんが新患さんで続いて来院するようになったりします。
まるで神様が上から見ていて「ふむふむ、その位の知識と実力が備わったのならば、準備はOKそうだね。そろそろ困っている人をそちらに送ろう」と人の流れを作ってくれるような感じ。
実力がない時に患者さんが来ても、患者さんはもちろん自分自身も苦しいわけですよね。
だからきっと神様が誰も不幸にしたくないから、人の流れにストップをかけて、実力をつける時間を作ってくれている。
私は別に変な宗教をやっているわけじゃない一般的な普通の人なんですけど、
そんな風に考え、努力していましたし、この考えはただの妄想じゃなく、ホントにそうなんじゃないかなぁと開業して感じることがよくあるんですよ。
順風満帆に進まないのが開業、それが当たり前。
だけど、逆境の時、急がず、騒がず、慌てないで、今日できるベスト尽くす。
その積み重ねが、実力となり、患者さんにプラスが出せるようになると、人の流れが自ずと出来るもの。
『治療院集客の画期的方法!!』なんて都合の良いもの、ないんですから、そんなのに飛びつかず、実力をつける。
苦しい時、それにじっと耐え、努力し続けられるか?
息切れして安易な策に溺れるか?
どちらを選ぶのかを、自分の『使命』に問うてみて下さい。

野口健さんの娘、絵子さん。今は20㎏のリュックも平気で担いで、笑って山を登っていましたよ。
自力さえつけば、今の苦しみは苦しみじゃなくなります。
- 投稿者: gairai_itohiya
- 独立開業