『子供がスポーツでよく怪我をする(捻挫・脱臼)』:関節弛緩症について
昨日、柔道で怪我をよくし、両膝がすぐ外れ、両膝内外側側副靱帯を損傷し、半月板も損傷したという中学生が来院されました。
何とか試合前に膝の安定性を確保したいとのことでした。
整形外科の医者には「膝のお皿が動き過ぎで脱臼寸前だ」と言われたそうです。
しかし私の見立ては異なります。
きっとこの方は生まれつき関節が柔らかすぎる関節弛緩症なのだと思いました。
スポーツの種目にもよると思いますが、一般的に関節が柔らかすぎるとスポーツで怪我をしやすいのです。
この患者様の膝のお皿は左右に過剰に動き、一見脱臼寸前のように検者は感じるかもしれませんが、これが彼の正常なのです。
また親指を手首につける事もできます。
これはエーラス・ダンロス症候群にみられる関節の過可動性(ハイパーモビリティ)かもしれません。
「生まれつき関節が柔らかすぎる」だけで全く問題が無いケースが多いのですが、中には稀に血管も脆かったり、目に問題が出たりするタイプもあります(稀です)。
もし皆さんのお子さんが良くケガをし、体が異常に柔らかい場合は、このような背景があるかもしれません。