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身体統合技法:シン・インテグレーションについて

シン・インテグレーション【Shin Integration】

マーク・カフェル博士の考案した身体統合技法シン・インテグレーション。
これはアイダ・ロルフの構造統合メソッドやクラニオセイクラルワークなどをマーク・カフェル博士が一つのワークとして統合したボディワークで、10回に分かれたセッションを行います。

ロルフィングの創始者であるアイダ・ロルフ博士は自身の息子の側彎症改善の為に長年にわたる研究を重ねた結果、『筋膜が姿勢を形作っている器官である』という博士独自の原理に至りました。
筋膜とは筋肉を覆う白い膜状の結合組織のことです。
シン・インテグレーションもロルフィングの原理を継承し、筋膜に対してアプローチを行います。
筋膜は、事故や怪我、病気、身体的・心理的緊張、偏った生活の仕方などの「負荷」がかかると、そのストレスに適応しようとして身体のいろいろな部分で短くなったり、厚くなったり、硬くなったり、捻じれたり、癒着たりします。このように生じた一部分の硬さは全身に大きな影響を与え、姿勢を歪ませます。その結果、偏った体の動きを生み出し痛みの慢性化を引き起こします。

シン・インテグレーションでは、様々な原因で硬くなり、癒着した深部組織を解放する為に指、拳、肘などを用いて持続圧を加え、骨格を支えるコンパートメント(区画)に変化を起こします。
その結果、私たちの身体は重力に対して親和的で自然な状態に戻り、疲れにくく痛みのない身体へと変化していきます。

各セッションの目的は以下の通りです。

第1セッション:
呼吸を深め、胸郭を引き上げ自由にするためにおもに胸郭、骨盤に働きかける。

第2セッション:
しっかりと立つための土台を作るために、足、脚、背中に働きかける。

第3セッション:
骨盤帯と肩甲帯との間の側面に中心線を作る。

第4セッション:
骨盤帯への最初のセッション。脚内側に中心線を作ると共に骨盤底に働きかける。

第5セッション:
骨盤帯の2回目のセッション。骨盤内面、腹部全体と腕に働きかける。

第6セッション:
骨盤帯の3回目のセッション。骨盤後面、足、脚、背中に働きかける。

第7セッション:
頭部と首の緊張をとき、頭部のバランスを取る。

第8セッション:
バランシング・セッション。下半身のバランスを取る。

第9セッション:
バランシング・セッション。上半身のバランスを取る。

第10セッション:
バランシング・セッション。全身の横方向のバランスを取る。

シン・インテグレーションの特筆すべき特徴は、マーク博士が身体に働きかけるだけでなく、心理カウンセリングを交えてこのワークを使い、心理面へのアプローチを試みた点です。
つまり『心理カウンセリングの延長線上にあるボディワーク』というのがシン・インテグレーション独自の特徴なのです。

ロルフィングの創始者I.P.Rolf(アイダ・ロルフ)

アイダ・ロルフは1920年コロンビア大学で生化学の博士号を取得し、その後ロックフェラー研究所に勤務しました。1940年代に、後にストラクチュラル・インテグレーションと呼ばれるボディワークを開発しました。

ロルフ博士が目的としたところは、人の心と身体が理想的なバランスを持って、より効果的に機能することでした。
きっかけは、ロルフ博士自身の健康の問題と息子の側弯症の改善のために、博士がオステオパシー(整骨療法)をはじめとした様々な治療を追及し、オステオパシーの治療原理である「からだの構造と機能には大きな関わりがある」という視点に関心を持ったことでした。
ここを出発点とし以後様々な研究を行った結果、「からだの中の柔組織を本来あるべき場所に持っていく事が正しい機能をもたらす」、「筋膜が姿勢を形づくっている器官である」という博士独自の原理に至りました。
この様にして発展していったロルフ博士の技法は、やがてストラクチュラル・インテグレーション(通称ロルフィング)の名で知られるようになります。 

日本でのストラクチュラル・インテグレーションのトレーニング

ロルフ博士には18人の直弟子がいました。
その中の一人に私がトレーニングを受けた心理学者であるマーク・カフェル博士がいます。

マーク・カフェル博士は心理・解剖学・生理学の研究に従事した後、アイダ・ロルフの元でロルフィングを、フィリッパウルズの元でゲジュタルトセラピーを学びました。
マーク・カフェル博士は日本で1985年から年一回、ロルフィング講演・デモンストレーションなどを行ってきました。
そして、ロルフメソッドにより身体統合の技法を行うためストラクチュラル・インテグレーション アンド オルタナティブ ヘルス財団を設立し、施術者の養成を行いました。

ロルフメソッドを始めとする自身の研究の教授だけでなく、人間関係のトレーニングやエニアグラムなど、メタフィジカルな道具を取り入れた独自のトレーニングカリキュラムを確立しました。
その背景には、「施術者(プラクティショナー)自身のあらゆる分野(身体面・心理面・スピリチュアル面)の成長こそがストラクチュラル・インテグレーションを行うのに不可欠」という信念がありました。
このワークには、シン・インテグレーションと名前がつけられました。

Mark Cafall,Ph.D.(マーク・カフェル博士)

マーク・カフェル博士は名門スタンフォード大学で経済学を学び、多数の会社を設立させるなど、ビジネスの分野で大きな業績をあげました。
しかし娘さんの死をきっかけに新しい道を求め、1964年から1968年にかけてメキシコの大学で英語教授を務めます。

1968年から1972年にはスタンフォード大学大学院で心理学、解剖学、生理学などを学び、ゲシュタルト・セラピーのフィリッツ・パールズ、ロルフィングのアイダ・ロルフのもとで心身の研究を行い、その後ロルファーになりました。
その他、アリカの創始者オスカー・イチャーソ、メタフィジシャンのブルー・ジョイ、クラニオセイクラル(頭蓋仙骨)・テクニックのジョン・アプレジャーなどに師事します。

1977年から1980年にカリフォルニアの Center for the healing artsにおいて命にかかわる重病に対するホリスティック・セラピーの医療調査を行い、その結果に対して1980年にインターナショナル大学より博士号を授与されました。
今まで6000人以上の人に対してロルフィングを行い、現在はアメリカ政府公認「ストラクチュラル・インテグレーション・アンド・オルタナティブ・ヘルス財団」のエグゼクティブ・ディレクターを務めます。

これまでに「シン・インテグレーション」公認プラクティショナー養成のための1年間集中トレーニングを長野県南アルプス山麓の雪深い過疎村にて4回行い、30名以上の卒業生を輩出しています。

 “Shin Integration is the art of understanding yourself.”

by Mark Cafall

シン・インテグレーションは、あなた自身を理解するアートである

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【投稿者の経歴】

糸日谷 哲章 【イトヒヤ テッショウ】

理学療法士/柔道整復師/シンインテグレーション認定施術者/保健医療学修士

運動学的観点から痛みの発生原因を追求し、難治性疼痛に特化した治療を行う

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